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はるちんとしっぽたちのとんでも日誌


海辺でのんびり生活、たまにお仕事。演出家 山本晴華としっぽファミリーのだらだら日誌。
by haruchin_shippo
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知らない劇団

本日、ご近所のT奥様のご紹介で とある小劇団のお芝居を観に行きました。


まあ、舞台を観る機会は職業柄多いと思いますが、知っている人が全然絡んでいない(出演とか演出とか)お芝居を観るのはなかなか新鮮な感覚で。。。

うんと…
ロックなのかJazzなのかクラッシックなのか分からないまま、コンサート会場へ向かう気分と言えばわかりますかね?
そんな感覚で、まったく興味(?)をもってなかった小劇団を観る。

う〜ん。
なかなか新鮮。



えっと…
劇団名は伏せておきますが…
正直言って、観に行って良かったなあと。

内容が面白かったとか、そんなんよりも
芝居が好きなんだろうな、この人たち
っていうのが伝わってきまして。。。

ちゃんと作ってあるんですよ、いろんな所が。
奇をてらってないというか。


僕もそうなのですが、演出をしていると
新しいもの…
誰もやってなかった様なもの…
お客さんが驚く様な何か…
を計算しながら作って行くんですよ。
…多分


プロの演出家であれば、絶対に要求されるもので、やらなきゃいけないもので…
(僕はそう思っています)
そこには、もちろん予算もついてくるし、出演者の技量や特技も要求されます。
そんな諸々をこなしていくのも演出家の腕の見せ所でもあるわけで。。。


はたまた、これを小劇団でやるのは難しいんですよ。
予算もないし、役者も決まってくるし。。。

その中でやれる事をやんなきゃなのに
背伸びして空回り…
な所が多くて。。。


映像作ったり、ダンスやったり、殺陣やったり…
色々やる前に、ちゃんと芝居つくろうよ!
と思う小劇団って結構多くって。。。

もちろん、がんばってるとこはスゴいなあと思いますよ。
十分時間とって稽古していて。

でも、演出サイドの理想が高くても、キャストが追いついてない劇団多いですからね。
だったらちゃんと芝居つけてやんないと。
と思うんですけどねえ。


んで、今日観させて頂いた劇団さんは、奇をてらわずに安定した芝居をつくってらっしゃって。
ああ、こんなんだったら安心して観れるなあと。
「僕ら芝居するの好きなんです!」
っていうのが、素直に感じられるというか。



舞台演出家の僕が言うのもなんですが…
舞台のお芝居って、映画とかテレビより面白くないんですよ。
基本的に。。。
でも、面白い舞台って、他と比べようがないくらい面白いんですよ。
その瞬間って、二度とは観れないし…

舞台ではカットもテイク2もないですからね。
その貴重な瞬間をたくさん作りたくって続けている様なもので。



ちょっと専門的になりますが。
笑える芝居(シーン)をつくろうとします。
どうつくって観客を笑わすかを理解していないと、笑わせてるんじゃなくて笑われているだけになっちゃうんですよ。

いろんな手法があるのですが…
コメディなのかファルスなのかボードビルなのか。
解釈の違いはあれど、演出サイドが役者にきちんと伝えきれていない芝居が多いんですよ。
もっというと、そこまで考えていない演出さんもいるんですよ。



まあ、天才ならいいのですが、そうでない方はもうちょっと勉強しましょう。
かくいう僕も天才ではないので、もっともっと頑張らねばなんですけど。


そんなこんな、僕が芝居を始めて20数年の事を色々と振り返ってみるような、良質な舞台でした。
ありがとうございました。

by haruchin_shippo | 2009-10-29 23:12 | 海辺の生活
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